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つぎの民話

つぎの民話

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著者/松井至
出版社/信陽堂
サイズ/336ページ 19.5*12.5cm
発行(年月)/2025年10月

 

別れるときに必ず握手をする人だった

かつて焚き火を囲んで民話が語られたように、映像がその光となって〈つぎの民話〉が生まれる。

傑作ドキュメンタリー映画『私だけ聴こえる』で知られざる〈コーダ= CODA〉の世界を描き、驚きと共に世界に迎えられた松井至監督による、初めての著書。映像を〈見る〉〈見られる〉という関係から解き放ち、その場にあらわれるものを〈共視〉することでひらかれるドキュメンタリーの新しい可能性。……石巻、いわき、奈良、京都、朝日町、西会津、前橋…… 日本各地を旅し、人に出会い、撮影を続ける日々の中で、〈映像とは何か〉〈映像に何ができるのか〉を探究し続けた、二年間の旅を綴る、体験的映像論。

本書で制作過程が描かれた、松井監督の映画7作品の鑑賞リンクがついています。映像と共にお読みください。

コーダ:デフ(ろう者)を親に持つ聴者の子どもたち。(CODA=Children of Deaf Adults)

「たった十五分の映像をここの人たちが何度も上映する理由を、ようやくわかりつつあった。わたしとあなたを言葉やフィクションで括らない方法が、名前のないものを名前のないまま共に見る方法がここには必要だった。震災を語ることが社会的意義と強く結びついて公共化する地域で暮らし、語ることに違和感を覚えながらもいつのまにか言語化を強いられ、消耗し、ある日、なにひとつ見ることも聞くこともしなくなった自分に気が付く。
そこに映像は発生する。
他者が映し出される。
誰かの環世界に触れて、思い出す。
震災以前を思い出す。自分なのかもわからない自分以前を思い出す。
そうやってひとりでは決して思い出せなかった記憶を受け入れる。「私という生きものはこの地上をこんなふうに生きた」と。」(エピローグ「想起するまなざし」より)

<目次より>
握手      |プロローグ
家は生きていく |石巻
近くて遠い海へ |いわき
ゆびわのはなし |御所
いのちの被膜  |京都
〈つぎの民話〉へ|ウガンダ――朝日町
田んぼに還る  |西会津
光を読む    |映画『私だけ聴こえる』
うたうかなた  |前橋
想起するまなざし|エピローグ

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