膠へのまなざし
膠へのまなざし
著者/内田あぐり(監修)
出版社/国書刊行会
サイズ/208ページ22.5*16cm
発行(年月)/2026年6月
溶け、固まり、またほどけていく
古くから絵画をはじめ建造物や工芸品、楽器などの接着剤として世界中で使用されてきた膠(にかわ)。その原料は動物資源であり、私たちの生活や文化に深く通底している。しかし今日において、伝統的な手工業による膠の生産は途絶えてしまっている。膠という伝統素材を後世に引き継いでいくため、膠の原料や支持体となる手漉き和紙と墨の作り手、さらには保存修復の専門家や老舗画材店など全国各地を取材。また、膠が現代においてどのように用いられているのかを示すため、37名の現代作家による新作を中心とした作品と、膠にまつわる書き下ろし文章を収録。加えて巻末には、研究者による書き下ろし論考も収録。
自然と表現が互いに応答するその文化の源流を辿りながら、新たな膠へのまなざしを照らし出す。
オールカラー。
◆膠(にかわ)
動物の皮や骨から生成されるゼラチンを主成分とする接着剤。日本では主に皮革製品の皮屑が使用されている。古代壁画や原始絵画の時代から使用され、日本画制作においては画面と絵画を接着するものとしてなくてはならない重要な素材である。
<目次より>
【第1章 膠の姿とその所作】
膠の原料や支持体となる手漉き和紙と墨の作り手、さらには保存修復の専門家や老舗画材店への取材ドキュメントを収録。
高知県長岡郡大豊町ーー農家民宿レーベン
兵庫県姫路市ーー大崎商店
福井県越前市ーー株式会社岩野平三郎製紙所
高知県吾川郡いの町加田ーー株式会社尾崎製紙所
高知県吾川郡いの町神谷ーー鹿敷製紙株式会社
高知県土佐郡土佐町南川ーー南川かじ蒸し結いの会
山形県西村山郡西川町大井沢ーー月山和紙 大井沢工房さんぽ
京都府京都市ーー有限会社彩色設計
京都府京都市ーー彩雲堂本舗
彩雲堂本舗4代目店主・藤本築男インタビュー
東京都中央区日本橋ーー株式会社有便堂
京都府京都市ーー株式会社放光堂
墨の話 川嶋渉(京都市立芸術大学副学長、美術学部美術科教授)
奈良県奈良市ーー株式会社古梅園
【第2章 膠と表現、37考】
膠が現代においてどのように用いられているのかを示すため、37名の現代作家による作品と、膠にまつわる書き下ろし文章を収録。日本画家のみならず、油彩画家、彫刻家など、領域や世代を超えた作家たちによる多彩な表現が一堂に会す。
赤塚祐二/淺井裕介/荒井経/石崎誠和/内田あぐり/内田亜里/大嶋直哉/岡路貴理/岡村桂三郎/金子朋樹/川崎鈴彦/川嶋渉/菊池玲生/北田克己/喜屋武千恵/熊澤未来子/小林孝亘/小俣花名/斉藤典彦/椎名絢/重野克明/杉戸洋/曽谷朝絵/平良優季/滝沢具幸/千坂尚義/永沢碧衣/仁添まりな/濱田千晴/平向功一/町田久美/松岡学/松平莉奈/丸川直人/丸山直文/三沢厚彦/山部杏奈
【第3章 膠をめぐる論考】
膠へのまなざしーー再考、そして応答 内田あぐり
丸木位里・丸木俊 思念の四曲一隻 北澤智豊(武蔵野美術大学)
毛利武彦 馬のドローイング 北澤智豊(武蔵野美術大学)
膠と日本画ーー材料認識の変化と再構築 北田克己(日本美術院同人)
膠とニベーー膠文化の成立を考える 森田恒之(国立民族学博物館名誉教授)
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