まちのコモンズ、風通しのよい暮らし
まちのコモンズ、風通しのよい暮らし
著者/竹之内祥子
出版社/ブルーブラックカンパニー
サイズ/256ページ 19*13cm
発行(年月)/2026年1月
いちばんいけないのはおなかがすいていることと、独りでいること
東京・杉並の住宅街にある「okatteにしおぎ」は、「食」をテーマとした会員制のパブリック・コモンキッチン&スペースとシェアハウス。そのオーナーである著者は、夫の急死や東日本大震災を経て「家を開いて使い合う」ことに興味が湧き、三世帯で暮らした自宅を還暦目前に増改築して「大家さん」に転身した。
多様なメンバーと共に運営することでの「面倒くささ」はありつつも、それを超える楽しさが生み出されているこの場の不思議なおもしろさを「コモンズ」という概念で読み解く著者は、まちから暮らしと生業が失われ「自立が孤立に転化している時代」の処方箋としても有効だと考える。
自身の「家と家族の記憶」や終活とも重ね合わせつつ、コモンズから始まる風通しのよい世界へと「旅」してきた著者の思索と実践の記録。
「大家としては、10年経っても、20年経っても、キッチンのスポンジやふきんの使い方について、みんながああだこうだと話し合い、常にルールは暫定で、食べたい人が勝手にごはんをつくって食べ、自分のしたいことを自由にやってみて、失敗してもああおもしろかったねと笑い、ふっと自分の悩みを打ち明けて、ほっとできる場所であってほしい。普通、実家といえば地方のイメージだが、okatteは東京在住でも地方に移住しても、メンバーがみんなで共有する「実家」のような「コモンズ」として続いていくことを願っている。」(第1章「okatteにしおぎ共創記――「まちのコモンズ」の10年」より)
<目次より>
まえがき
第1章 okatteにしおぎ共創記――「まちのコモンズ」の10年
私の家の話――都会の三世帯住宅をどうする?
二つの出会いで「まちに開かれたシェアハウス」計画が始動
コンセプトは「つくって食べるみんなの〝お勝手〟」
ワークショップで育まれたオーナーシップ
1年目に果たした二つの「ブレイク」
管理ではなく「待つ・ずらす・おもしろがる」運営
お互いの違いを楽しめるようになるまで
okatteが「みんなで共有する東京の実家」になる日
第2章 okatteゼロ――「家と家族」の記憶をたどる
原体験としての祖母の家
風通しのよい家は「他者を拒まない」
「閉じた狭い家」のような日本社会の中で
第3章 okatte大家のコモンズ論――実践と研究の往復から
コモンズって何?
コモンズという最適解――大切な宝を維持するために
okatteを「オストロムの8原則」で検証する
okatte10周年、大家の大迷走とコモンズ新原則の発見
いまなぜ「まちのコモンズ」なのか①
いまなぜ「まちのコモンズ」なのか②
第4章 コモンズの終活――進化と継承を目指して
引用文献
参考文献
[ブックガイド]コモンズをより深く知るための8冊
あとがき
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