こといづ
こといづ
著者/高木正勝
出版社/木楽舎
サイズ/260ページ 19.5*13.5cm
発行(年月)/2018年11月
ぽっかり自分にうつわが生まれた時
「こといづ」とは、「コトが出づる」という意味の造語です。丹波篠山の小さな村で暮らす音楽家・映像作家、高木正勝さん。日々の驚きと発見、80代のハマちゃん・昔気質の大工職人スエさんをはじめとする愛すべき村人たちとの交流、映画音楽ができるまでの苦悩と喜び、ソロモン諸島・エチオピアをはじめとする旅の話、自然と人間の限りあるいのちについて…。ピアノを弾くように、歌をうたうように綴られることば。2012年から続く雑誌『ソトコト』の連載より収録した、いとおしいエッセイ。
「町に住んでいた頃は使わなかった躰の動きもたくさんで、
草刈りや縄縛りやら、朝起きると手がどんより重く、
閉じたり開いたりがうまくいかない...(中略)
背骨や肩甲骨など、おおもとになっている部分を
反って伸ばしてやると、末端にある指や手は勝手にゆるみ出した。
ああ、そうか、やはり部分ひとつで成り立っているわけがあるまいな。
...(中略)心もおんなじで、凝り固まってしまった時は、
おおもとの魂をゆるます必要があるのだろう」
「なかなか難しい日、はじまりから調子がいい日、
一瞬だけよい日、いろいろあります。
決まったことを奏でればいいわけではないので、
その日の何かをつかめるかどうかだけが問題なのです。
そもそも、生きることが、
瞬間瞬間の挑戦であり歓びなのですが」
「人の躰には血管や神経が河のように流れているけれど、
あたらしい躰の使い方を試みるということは、
自分の躰にあたらしい流れを、
あたらしい道をつくるようなものだ。
そんなあたらしい道に新鮮な風が通り出したら、
やっぱり今まで気づいていなかったものにまで
気づけるようになると思う」
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