やまなみ【サイン本】
やまなみ【サイン本】
著者/川内倫子(写真・文)
出版社/信陽堂
サイズ/104ページ 28.5*21cm
発行(年月)/2022年2月
※同一内容で、カバーデザインは2種類ありますが、現在庫は写真のタイプです。
ようがんばったなあ
「〈やまなみ工房〉に門はない
自由に開けられる扉からは
いつも誰かの笑い声が聞こえてくる」
写真家・川内倫子が、アールブリュットの才能が集う場所として注目を集める滋賀県の障害者福祉事業所〈やまなみ工房〉に通いつづけ、3年の歳月をかけて完成させた写真集。
本書の舞台〈やまなみ工房〉は、障害者多機能型事業所です。滋賀県甲賀市郊外の緑豊かな地区に数棟の作業棟が点在し、現在88人が通所して日々を過ごしています。近年アートの才能が集う場所として注目を集めており、メンバーたちの作品は国内のみならず海外でも高い評価を受け美術館などアートシーンで紹介されることも多くなりました。
いつも誰かの笑い声が聞こえ、絵を描く人、何かを作る人、歌う人、踊る人、寝そべる人、駆けまわる人、何もしない人…… 思い思いに過ごす人たちがいる空間が、何とも言えず心地よいのです。「混沌が調和している場所」それが最初から変わることのない〈やまなみ工房〉の印象です。
「初めて訪れたのは2018年の夏。靴を脱いでスリッパに履き替え、ホールのなかに入り、初めまして、お邪魔します、と利用者の方々にご挨拶をしていたら、ふいに大きな声が聞こえたかと思うと、ハッピバースデーツーユーとうたい出した人がいた。ぎゅっと目を閉じて拝むように両手を合わせ、大きな声でうたっているその人の発する力強さに圧倒され、呆気にとられて目を離せなかった。それはまるで大きな滝がごうごうと音を鳴らして水を流しているようでもあり、人は自然の一部だったことを思い出させた。いつでも圧倒的なものに出会うときはそうであるように、胸が震えてしばらくなにが起こったのかわからなかった。」
(本文より)
写真集『やまなみ』は、〈やまなみ工房〉がどのような場所かを説明的に示すことを目指してはいません。川内倫子というひとりの写真家の目を通して切りとられた工房の日常から、私たちひとりひとりが持っているはずの〈いのちの可能性〉について、感覚を開いてゆくきっかけになれば幸いです。
「いのちといのちが出会う時、
〈自分が自分であるだけでいい〉場所に立ち現れる
ある〈可能性〉の物語」
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