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自然と神々と暮らした人びとの民具 小原かご

自然と神々と暮らした人びとの民具 小原かご

通常価格 ¥1,980 JPY
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著者/荒井恵梨子
出版社/能美舎
サイズ/96ページ 26*18cm
発行(年月)/2023年5月

 

まだそこに神はいるか

ひとつひとつ丁寧に編み込まれた造形。使うほどに光沢を増す木かご。一度手にすれば一生を共にできるという。この丈夫で美しいかごはどこで生まれたのか。

滋賀・福井県境、淀川源流の碑が建つ奥丹生谷という地域に、かつて七つの村があった。山越えにやってきた木地師たちが住み着いてできたと伝わる村々は、高度経済成長による製炭業の衰退化や、ダム建設計画により1995年までに地図から消えていった。

美しい木かごは、地図から消えた村の人々によって編まれていた。奥丹生谷の人々は、山桜が咲く頃に麻の種をまき、夏は山桑で蚕を育て、炭を焼き、豪雪に備えてあらゆる山の恵みを蓄え、神々に平穏を祈り暮らした。買うものは釣針などのわずかな鉄製品と塩だけ。そんな暮らしの中で作られた「小原かご」は、カエデなどの広葉樹を材とした美しさと丈夫さが評判を呼び、北國街道を行き交う人々によって広域で流通していた。

本書では「小原かご」について、材料の採取から編み方までを解説。衣食住すべてを作り出す山の暮らしについて、かつての村人の語りや当時の写真と共に伝えている。

文化資源学を研究する著者は、現代で唯一となった小原かご伝承者に師事し、かご編みの技術を習得。ひとり、山へ入り材となるイタヤカエデを切り出し、かごづくり教室を開く。技術の継承者を増やそうと取り組む中で、「かごづくりが続いても、かごが使われていた暮らしの背景を知らずに続くことは『民具の伝承』と言えるのか」という疑問にぶつかる。師の語りに耳を傾け、かつての暮らしを聞き取りながら「民具の伝承とは、技術を継承することだけではなく、そのものが生まれた土地の景色や使われていた暮らしの背景を共に記録し伝えていくことである」という本質に気づく。本書はその実践的アプローチである。

<目次より>
はじめに
小原かごのこと
白子皇子の民話
自然と神々と暮らした村
山の暮らしの記憶
太々野㓛さんのこと
山に入る
山の暮らし小話 薬草の知恵
小原かごをつくる道具
いろいろなかごの形
小原かごの特徴
小原かごをつくる 材料のこと
小原かごをつくる おやつかご
山の暮らし小話 山の食事
小原かごをつくる ナタかご
昔の小原かご
山の暮らし小話 暮らしに坐す神
現代の暮らしと小原かご
山の暮らし小話 すべてをつくり出す暮らし
木を編むわざ 広葉樹利用の民俗
おわりに

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