八木重吉詩集
八木重吉詩集
著者/八木重吉、若松英輔(編)
出版社/岩波書店
サイズ/364ページ 15*10.5cm
発行(年月)/2025年2月
なにゆえ 草はうつくしきか
近代詩の彗星、八木重吉(1898-1927)。残された珠玉の詩篇には、生きることへの愛しみと哀しみが満ちている。愛と祈りの詩人を一冊に編む。キリスト教詩人とされる八木は、特定の宗派を超えて受け入れられている。人間の内奥にある普遍的なものが、読む者に働きかけている。霊性と言葉の交響を明らかにする。
<目次より>
詩集 秋の瞳
巻首に(加藤武雄)
序
息を 殺せ
白い枝
哀しみの 火矢
朗らかな 日
フヱアリの 国
おほぞらの こころ
植木屋
ふるさとの 山
しづかな 画家
うつくしいもの
一群の ぶよ
鉛と ちようちよ
花になりたい
無雑作な 雲
大和行
咲く心
剣を持つ者
壺のような日
つかれたる 心
かなしみ
美しい 夢
心よ
死と珠
ひびく たましい
空を 指す 梢
赤ん坊が わらふ
花と咲け
甕
心よ
玉
こころの 海づら
貫ぬく 光
秋の かなしみ
泪
石くれ
竜舌蘭
矜恃ある 風景
静寂は怒る
悩ましき 外景
ほそい がらす
葉
彫られた 空
しづけさ
夾竹桃
おもひで
哀しみの海
雲
或る日の こころ
幼い日
痴寂な手
くちばしの黄な 黒い鳥
何故に 色があるのか
白き響
丘 を よぢる
おもたい かなしみ
胡蝶
おほぞらの 水
そらの はるけさ
霧が ふる
空が 凝視てゐる
こころ 暗き日
蒼白い きりぎし
夜の薔薇
わが児
つばねの 穂
人を 殺さば
水に 嘆く
蝕む 祈り
哀しみの 秋
静かな 焔
石塊と 語る
大木 を たたく
稲妻
しのだけ
むなしさの 空
こころの 船出
朝の あやうさ
あめの 日
追憶
草の 実
暗光
止まつた ウオツチ
鳩が飛ぶ
草に すわる
夜の 空の くらげ
虹
秋
黎明
不思議をおもふ
あをい 水のかげ
人間
皎々とのぼつてゆきたい
キーツに 寄す
はらへたまつてゆく かなしみ
怒れる 相
かすかな 像
秋の日の こころ
白い 雲
白い 路
感傷
沼 と 風
毛虫 を うづめる
春 も 晩く
おもひ
秋の 壁
郷愁
ひとつの ながれ
宇宙の 良心
空と光
おもひなき 哀しさ
ゆくはるの 宵
しづかなる ながれ
ちいさい ふくろ
哭くな 児よ
怒り
春
柳も かるく
詩集 貧しき信徒
序(加藤武雄)
母の瞳
お月見
花がふつてくると思ふ
涙
秋
光
母をおもふ
風が鳴る
こどもが病む
ひびいてゆかう
美しくすてる
美しくみる
路
かなかな
山吹
ある日
憎しみ
夜
日が沈む
果物
壁
赤い寝衣
奇蹟
私
花
冬
不思議
人形
美しくあるく
悲しみ
草をむしる
童
雨の日
蟻
大山とんぼ
虫
あさがほ
萩
水瓜を喰わう
こうぢん虫
春
春
陽遊
春
梅
冬の夜
病気
太陽
石
春
春
春
桜
神の道
冬
冬日
森
夕焼
霜
冬
日をゆびさしたい
雨
くろずんだ木
障子
桐の木
ひかる人
木
踊
お化け
素朴な琴
響
霧
故郷
こども
豚
犬
柿の葉
涙
雲
お銭
水や草は いい方方である
天
秋のひかり
月
かなしみ
ふるさとの川
ふるさとの山
顔
夕焼
冬の夜
麗日
冬
冬の野
病床無題
無題
無題
無題
梅
雨
木枯
無題
無題
無題
詩 稿
詩集 丘をよぢる白い路
○ すべての季節は、秋を、
山
詩集 鳩がとぶ
白い秋
○ それにしては りっぱすぎる――
○ かなしみはたかく なりひびいてゆく、
○ 秋 立つころとなれるゆえなりや
○ ましづかに 力づよい 雲!
○ 花を 見れば 嬉しい、――わたしにも、
○ 虹は とほく しづかで あります、
○ 何が 残されてあるのか!?
○ 耳を すませば きこえてくる、
詩集 花が咲いた
○ 虚しさをつらぬき 実相をつらぬいて
○ これは わたしの慢心なのだらうか!?
詩集 大和行
○ まっくらな座敷に ふとゐることがある、
詩集 我子病む
(かなしみ)
メシア
○ まことの詩人は しづかにて死すべし
不死鳥
○ まことの詩を もとむるなら
詩集 どるふいんの うた
○ かなしさが ながれる日
○ なにもかも 捨てきれはしないのだから
詩稿 幼き怒り
○ かみを 感ぜよ、
○ 宇宙のこころは かんじてゐる、
○ 霊感は
○ 詩人とは
○ わたしの ねがひは ここにかかる、
○ 霊感はしづかなる野にばかりいきづいてゐる、
○ かなしみがひびきわたって
○ 幸福をみうしなふたひとよ、
○ ほんとうに 次の世があるのなら
○ どうせ 死ぬるいのちでは あるけれど、
詩稿 柳もかるく
○ はるを うたへ
○ まちぬいた芽がでた
○ 草は 詩人
○ ふるさとに かへりゆけよ
○ さくらの花にみいれ、おまへよ、
○ 天国には「名」はない
詩稿 逝春賦
○ あぢきない
○ そらに 澄みのぼる
○ すべてをすてきれはしないのだから
●詩● 鞠とぶりきの独楽
こま
○ きりすとを おもひたい
○ 森へはいりこむと
〔欠題詩群 ㈠〕
○ 久しぶりで弟から
○ これだけの
○ 深みといふようなことは
○ きつそうにも
○ よむ本は
○ ゆふぐれの
○ 全きものよ
○ よろこびにあって
○ ほがらかな空は
〔欠題詩群 ㈡〕
○ 詩につきておもふなかれ
病める友に与ふる
○ すこやかなものが
○ たんじゆんなことばであっても
○ 詩をうむこころ
○ この
○ ミルトンの
○ こころ
○ おろかしい
○ ふしぎ
○ いかるとき
○ かへがたきひとつのこころ
○ うごくこころ
○ まるひとつの
○ なにゆえ
○ しづかなるひは
神をおもふ秋
○ かみをみうしなひたらば
○ かみよ
○ ここまでいらいらとはしってきた
○ われを めぐる
○ 金なきゆえ
不死鳥
純情を慕ひて
あさがほのたね
○ このはいいろのそらから
○ このとしになって
○ わたしの絵は
○ 貧乏はかなしくはないが
○ おほくくづしては
○ 手をあわすれば
断章
○ なぜわたしは
○ よろこばしき詩人は
幼き歩み
○ さびしいおもひではあるが
亡き友の妻
○ えいえんを
寂寥三昧
○ ロマンチストといふのは
○ 詩のうまれいづる日は
○ すぐれたる詩人のこころへはいりこめたときは
貧しきものの歌
○ きりすと
みたま
○ ギリシャ語の聖書をよめば
○ いつわりのない
○ むなしいことばをいふな
○ かなしみのせかいをば
○ かねがないゆえ
詩稿 ものおちついた冬のまち
○ 詩はなにゆえにとほといか
○ うたもひとつの行ひである
○ 本を研究することによって
○ 詩をよむときをえらびなさい
○ 秋をほめたこのまへのとしは
○ しなければならないことは
○ 万葉にかへってゆくのです
○ まづしいこころで詩をよみなさい
○ 古人に逢ふてゐると
○ あさくあいするよりは
○ うたで絵を描こうとするおろかしさ
○ よいことばであるなら
詩稿 み名を呼ぶ
○ かなしいのでもいい
断章
○ れいめうなる
○ よぶがゆえに
〔断片詩稿〕
○ ちさきものに
生前発表詩・詩稿
いきどほり
顔
冬
秋の水
暗い心
詩稿 桐の疏林
○ この聖書のことばを
○ わたしが
○ わたしの詩よ
イエスは きっとまたくる
詩稿 赤いしどめ
○ あさ、
○ むぎのなかに
○ あかんぼをおんぶして
詩稿 ことば
○ 斜面といふものは
詩稿 松かぜ
とんぽ
断章
詩稿 論理は熔ける
断章
ふるさと
○ みにくいものは
断章
詩稿 美しき世界
○ いきどほりながらも
○ 真夏の空にたかくみる
ある日
○ かなしかれど
詩● うたを歌わう
憶えがき
ある日
なかよくしよう
詩● ひびいてゆこう
愛
詩● 花をかついで歌をうたわう
うつくしき わたし
詩● 木と ものの音
雨
ブレークに寄す
天国
詩● しづかな朝
涙
森
晩秋
私の詩
素朴な琴
詩
哀しみ
花
魂
野火
心
祈
麗日
基督
鬼
フランシス
信仰
聖霊
気持
私の詩
赤い花
真理
信仰詩篇
二月
十字架
キリスト
太陽
万象
〔断片詩稿〕
○ もえたら
ノオト A
願
仕事
○ 詩をつくり詩を発表する
此の室
感謝
称名
ノオト B
○ 小さき花、完全の鏡――
○ 私は貧しいと云へようか
ノオト C
○ 太陽よりもっともっと高いところに
○ 長い命でないとおもへば
ノオト D
床上独語
ノオト E
○ わが詩いよいよ拙くあれ
○ 独り言ぐらい真剣な言葉があらうか
詩神へ
歿後発表詩(原稿散佚分)
○ 私のそばに
○ 神さま
訳 詩
訳詩 ジョン・キーツ
レーノゥルドに答へて
私が怖れるとき
海に
暗い霧は去った
「名」に
ブレーク『無心の歌』
序詩
幼きよろこびのかたまり
解説(若松英輔)
八木重吉略年譜
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