空のおくりもの

作／マイケル・キャッチプール
訳者／亀井よし子
絵／アリソン・ジェイ
出版社／ブロンズ新社
サイズ／32ページ 25×25cm
発行(年月)／2012年2月

※版元品切れ

足るを知ることを教えてくれる美しい寓話

あるところに、雲から糸を紡いで、布を織る少年がいました。
「あさのくもから　金いろの糸を　
ひるのくもから　まっ白の糸を
ゆうやけぐもから　あかねいろの糸を。
かあさんに　おそわったとおりに」
雲は空のおくりもの。少しもらって、いるだけ紡ぎ、いるだけ織る。それが少年のやり方でした。
ある日、通りかかった王様は、少年のマフラーに目をとめます。金色とあかね色の糸でこしらえた、ふんわりやきぐりみたいなマフラー。王様は、大量のドレスを作れと少年に命じます。悲しげな顔で糸を紡ぎ、布を織る少年。空から雲は消え、雨は一滴も降らなくなりました。困り果てた村人たち。じっと様子を伺っていたお姫様は、山のようなドレスを抱え、少年のもとを訪ねます。
「もう　もとには　もどらないのかしら?」
多くを求めず、自然と共に生きていくことを伝える21世紀の寓話。陶器の上に描かれたかのような、独特の画風が印象的な絵本です。
(5歳～大人まで)