男の子とおおきなさかな

作／マックス・ベルジュイス
訳者／野坂悦子
出版社／ほるぷ出版
サイズ／32ページ 28.5×20.5cm
発行(年月)／2007年2月

本当に相手を想うということ

　男の子は、大きなさかなをつかまえ大喜び。なかよく一緒に暮らそうと家に連れて帰り、ふろおけにさかなをいれました。花を飾り、絵本を読んでやりました。
　でも、大きなさかなは元気がありません。男の子はさかなを病院へ連れていきました。お医者様の見立ては風邪。包帯を巻き、薬を処方してくれました。その夜、さかなは夢を見ました。うろこが羽になり、大空を飛んでいる自分。懐かしい湖に飛び込んだところで、目が覚めました。さかなは、ふろおけの中でした。
　衰弱していく魚。「あのみずうみに　かえりたい。わたしにたりないものは、みずうみ!　おねがいだから、もどしておくれ」友達であるさかなのことばに、男の子は・・・!?
　大好きなものを自分のそばに置いておきたい気持ちと、大好きだからこそ幸せになってほしいという気持ちと。鮮やかな色使いの美しい絵本。ラストシーン、男の子の気持ちの変化にご注目を。(6歳～)