モチモチの木

作／斎藤隆介
絵／滝平二郎
出版社／岩崎書店
サイズ／32ページ 28.5*25cm
発行(年月)／1971年11月

豆太は　なきなき　はしった

豆太は、夜中にひとりでおしっこにもいけない弱虫だ。峠の小屋に、じさまとふたりで暮らしている。小屋の前には、豆太が「モチモチの木」と呼ぶ大きな木がある。秋には茶色いぴかぴかの実をつけ、それをじさまと粉にひいて餅にして食べる。ほっぺたが落ちるほど、うまい。でも、夜になると、モチモチの木は「オバケェ～」と豆太を脅かすから、怖い。

「シモツキ二十日のウシミツにゃァ、モチモチの木に　ひがともる。おきてて見てみろ。そりゃァ　キレイだ」　じさまが教えてくれた。今晩がその日だ。山の神様のお祭りで、ひとりの子どもしか見ることができない。しかも勇気のある子どもだけが。じさまも、死んだ父親も見たというが、臆病な豆太は早々にあきらめてしまった。その晩・・・!?

豆太の気持ちに寄り添った滝平二郎さんの切り絵が、時代を経てもまったく色あせない。真の勇気とは何かを問いかける、ロングセラー絵本。