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椿の海の記
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著者/石牟礼道子
出版社/河出書房新社
サイズ/320ページ 14.5*10.5cm
発行(年月)/2013年4月
人間の上等さ
『苦海浄土』の著者・石牟礼道子の最高傑作。精神を病んだ盲目の祖母に寄り添い、ふるさと水俣の美しい自然と、こころよき人々に囲まれた幼時の記憶。
山に成るものは、山のあのひとたちのもんじゃけん、
もらいにいたても、慾々とこさぎとってしもうてはならん。
カラス女の、兎女の、狐女のちゅうひとたちのもんじゃるけん、
ひかえて、もろうて来
土や泥がまだ生きていた頃の道の上には、
そのような一日の人生の地紋が、
さまざまに交わりながら残っていた
石もじゃが、木ちゅうもんの一生も面白か。
木になってから何百年も経ってから家になってくれて、
舟にさえなってくれて、焚きものになってくれて、
燠になって、灰になり、それから先も失し足らん。
畑のものを育てたり、こんにゃく煮るとき助けてくれたりする。
この世の成り立ちを紡いでいるものの気配を、
春になるといつもわたしは感じていた。
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