濃霧の中の方向感覚
濃霧の中の方向感覚
著者/鷲田清一
出版社/晶文社
サイズ/356ページ 18.5*13cm
発行(年月)/2019年2月
方向感覚を保ちつづけること
危機の時代、先の見えない時代において、ほんとうに必要とされ、ほんとうに信じられる知性・教養とはなにか? それは、視界の悪い濃霧の中でも道を見失わずにいられる「方向感覚」のこと。複雑性の増大に耐えうる知的体力をもち、迷ってもそこに根を下ろしなおすことのできるたしかな言葉と出会う。社会、政治、文化、教育、震災などの領域において、臨床哲学者がみずからの方向感覚を研ぎ澄ませながら綴った思索の記録。
「制御不能なものを前にして、
たとえ小さな場所からでもいいから、
いやそういう場所でこそ、
じぶんたちにほんとうに可能なことを問いなおす、
そのような作業がそちこちで始まろうとしているかに見える」
「社会にすきまを開くほんとうの<あそび>に
もっとまじめにかまけるべきではないか。
触れあわないのでもなく、
いきなりぶつかるのでもなく、
たがいに適切な距離を測るべく、
触れるか触れないかのあわいでまさぐりあう、
そのような関係をもっと厚くすることが、
いまわたしたちの社会には必要なのではないか」
「居場所がない...(中略) 存在のこうした萎縮は、
人が『つくる』といういとなみから外れたところで
起こるのではないか」
(本文より)
<目次より>
1 社会 Society
2 政治 Politics
3 文化 Culture
4 教育 Education
5 震災後のことば Literature After the Disaster
6 身辺雑記 Memories
対話の可能性──あとがきに代えて
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<関連書籍>
『岐路の前にいる君たちに』
『生きながらえる術』
『二枚腰のすすめ』
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