思いがけず利他
思いがけず利他
著者/中島岳志
出版社/ミシマ社
サイズ/184ページ 19*13cm
発行(年月)/2021年10月
なぜ世界を温かく抱きしめる感覚を抱くのか
It’s automatic(イッツ オートマティック)!? 誰かのためになる瞬間は、いつも偶然に、未来からやってくる。東京工業大学で「利他プロジェクト」を立ち上げ、『利他とは何か』『料理と利他』などで刺激的な議論を展開する筆者、待望の単著。今、「他者と共にあること」を問うすべての人へ。自己責任論も、「共感」一辺倒も、さようなら。
「偽善、負債、支配、利己性……。利他的になることは、そう簡単ではありません。しかし、自己責任論が蔓延し、人間を生産性によって価値づける社会を打破する契機が、「利他」には含まれていることも確かです。」
(「はじめに」より)
本書は、「利他」の困難と可能性を考える。手がかりとなるのは、居心地の悪いケアの場面、古典落語の不可解な筋書き、「証明できない」数学者の直観、「自然に沿う」職人仕事の境地、九鬼周造が追求した「私は私ではなかったかもしれない」という偶然性の哲学……など。
「利他の主体はどこまでも、受け手の側にあるということです。この意味において、私たちは利他的なことを行うことができません」 「利他的になるためは、器のような存在になり、与格的主体を取り戻すことが必要」
(本文より)
意思や利害計算や合理性の「そと」で、私を動かし、喜びを循環させ、人と人とをつなぐものとは?
<目次より>
はじめに
第一章 業の力――It’s automatic
第二章 やって来る――与格の構造
第三章 受け取ること
第四章 偶然と運命
おわりに
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<関連書籍>
『料理と利他』
『自分ごとの政治学』
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