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社会と自分のあいだの難関

社会と自分のあいだの難関

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著者/那須耕介
出版社/編集グループSURE
サイズ/288ページ 19*13cm
発行(年月)/2021年11月

 

「なかったこと」にさせないために

民主主義(デモクラシー)って、疲れませんか? わかってるようで、わかってないこと。残された時間、この「世界」と「私たち」のつながりについて考えつづけた53歳の法哲学者。その思索の到達点を示す最後の連続セミナー。

法哲学者 那須耕介さんは、1967年生まれ、京都育ち。21歳の京大生時代に、哲学者の鶴見俊輔さんに見出されて雑誌「思想の科学」に登場して以来、若い世代の書き手として、地元の読者サークルなどの集まりに意欲的に加わってきた人でもありました。

法哲学者としての那須さんの仕事ぶりを見るなら、大学の「研究室」よりも、むしろ町かどに出て、共感を覚える人たちとの直接の付き合いを大事にして、そこを現場とする学風でした。教師としては、学生たちとの「対話」の中から、新たな問題の糸口と発展の道筋を見いだしていこうとしていたようです。穏やかで明朗な語り口の持ち主でしたが、こうした学問の「方法」には、頑固なほどの一途さも伴っていたように思われます。 期待と注目を負う身でありながら、那須さんは、自著を単独で書き上げることには、不思議とあまり関心を示しませんでした。それに代えて、好んで選んだ表現方法は、口頭での発表を、参加者との質疑や議論も含む形で記録し、著作として展開していくというものでした。議論を開かれた形でとどめ置くスタイルに、自身の「学問」観にかなったものを見出すところがあったのでしょう。

2021年春、編集グループSUREの提案で、「法哲学」を通して考えてきたことの集大成をなす連続講義が行なわれました。これまで大事に作ってきた講義ノートをもとに、3つのテーマを選んで開催された連続講義、それが本書『社会と自分のあいだの難関』に収録する「自由な表現」「正義」「法」をめぐる3つの論考です。那須さんの要望で、歴史学者の藤原辰史さんにも加わっていただき(第2講・第3講)、作家の黒川創さんが司会をつとめました。

連続講義は、2021年5月末から7月末まで3回にわたって開かれました。このとき、すでに那須さんは末期の膵がんを患っていましたが、慎重な準備を経て、すべての講義が行われました。そののち、9月7日、那須さんは逝去されました。

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<関連書籍:編集グループSUREの本> 
『内陸のくじら』

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