回復まで 新装版
回復まで 新装版
著者/メイ・サートン
訳者/中村輝子
出版社/みすず書房
サイズ/312ページ 19*13cm
発行(年月)/2019年11月
庭のことを考えていると、気持ちが鎮まる。
66歳から67歳にかけての1年間(1978-79)は、サートンにはつらい年だった。パートナーとの別離、小説『総決算の時』への悪意ある酷評、乳がんの手術、ふっきれない鬱状態。しかし、「惜しみなく与える」友人たちがいて、小さな命にみちた静謐な自然があり、読書と、愛読者たちの手紙に支えられて、彼女は「あるがままの自分」を受け入れることを学ぶ。そして孤独を深めながら、ゆっくりと回復していく。
58歳時の『独り居の日記』にはじまり、『70歳の日記』『74歳の日記』『82歳の日記』へと連なるなかで、本書は、自らを「回復させられるかどうか、やってみる」ために、と冒頭で決意し、再開した日記である。
「会いにいけばかならず、わたしは彼女の勇気、
暮らしのなかの小さな創意工夫、
なにごとに対しても誠実な大きなヴィジョンに
励まされて帰る」
「痛みや辛い体験が相手に完全に
理解されていると感じられるとき、
自然に笑いは生まれる。
理解されていないと感じれば、笑うことはできない。
そして怒りがとって替わる。
自己憐憫も生まれる。それがわたしにはこわい」
「けっして癒やされない悲しみがあり、
その悲しみを前にしておそらく唯一慰めとなるのは、
その事実を認めることだろう。
クリスティアーヌの頬を流れる涙を前に、
わたしが思い出したのは、
六か月間哀悼にくれ、それからダンスをして
死者の魂と自分たちの魂を解放する
プエブロ・インディアンのことだった」
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<関連書籍>
『独り居の日記 新装版』
『70歳の日記』
『74歳の日記』
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