人間の経済
人間の経済
著者/宇沢弘文
出版社/新潮社
サイズ/192ページ 18*10.5cm
発行(年月)/2017年4月
人間は心があってはじめて存在するし、心があるからこそ社会が動いていきます
富を求めるのは、道を聞くため――それが、経済学者として終生変わらない姿勢だった。「自由」と「利益」を求めて暴走する市場原理主義の歴史的背景をひもとき、人間社会の営みに不可欠な医療や教育から、都市と農村、自然環境にいたるまで、「社会的共通資本」をめぐって縦横に語る。人間と経済のあるべき関係を追求し続けた経済思想の巨人が、自らの軌跡とともに語った、未来へのラスト・メッセージ。
<目次より>
序 社会的共通資本と人間の心
昭和天皇のお言葉
「レールム・ノヴァルム」
一 「自由」と「利益」の暴走
パックス・アメリカーナ
東西冷戦の立役者
モンペルラン・ソサエティ
ミルトン・フリードマン
選択する自由
シカゴ大学事件
市場原理主義の蔓延
リーマン・ショックの本質
二 経済学と医療をめぐって
パックス・ブリタニカ
ケインズ=ベヴァリッジの時代
ベヴァリッジ報告書
医療と乗数効果
NHSの難局
Kill-RatioとDeath-Ratio
人生は短し、医術は長し
日本の医療危機の構図
三 教育とリベラリズム
安倍能成先生のこと
社会的自由ということ
福沢諭吉の信念
ジョン・デューイの教育哲学
私の学校計画
四 大学と都市の理想と現実
ジェイコブスの四大原則
ヴェブレンの『大学論』
大学の作られ方
「種馬」と「敵」
五 数学という永遠の命
末綱恕一先生のこと
『好きになる数学入門』への思い
六 天与の自然、人為の経済
水俣病の記憶
「環境」と「経済」の関係
エネルギー消費大国の横暴
排出権取引の反倫理性
近代文明から自然の摂理へ
生物多様性
七 人類と農の営み
戦後農政の矛盾
私と農村の思い出
空海の満濃池
八 「シロウトの経済学」ゆえの仏心
石橋湛山のヒューマニズム
経済は人間のために
富を求めるのは道を聞くため
本書の成り立ちについて
講演テキストその他出典・主要参考文献一覧
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<関連書籍>
『自動車の社会的費用』
『社会的共通資本』
『宇沢弘文 新たなる資本主義の道を求めて』
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